中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2015.12.05
スキルアップ
第3回「中華料理のご注文に困ったことはありませんか」
2015年10月より新しい連載がスタートしました。ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生が執筆します。すぐに使えるフレーズがたくさん詰まっていますので、みなさまのお役に立つこと間違いなしです。どうぞお楽しみください。
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中華料理のご注文に困ったことありませんか。
宴会の場合は、予算をレストランに伝え、お任せや、コース料理を頼むことで簡単に済ませますが、単品で食べたいものを注文するとなると、荤素搭配(肉料理とお野菜の組み合わせ)や量などを考えなければなりません。特にビジネスシーンにおいては、相手の胃袋を満足させるだけでなく、おもてなし、美意識、判断力、価値観を見せる所でもあります。時には料理のおかげで難しい商談がスムーズに捗り、厳しい雰囲気を和らげてくれることもあります。料理の頼み方一つで商談が半分まとまったとも言えるでしょう。
さて、中華料理を頼む時、まず始めに何に注意しなければならないでしょうか。
中華料理と言えば、大きな丸いテーブルを囲んで賑やかに、同じお皿やお鍋にお箸を突っ込むイメージでしょう。そのとおりです。友人側と敵側を区別せず、角のない輪を作ってシェアするのが基本で、とても大事なことです。
「同吃一锅饭(同じ鍋の料理を食べること)」
共産党の幹部が民衆と仲良くするための象徴として、よく使われている言葉です。会社の経営層も支持を集めるために、社員食堂で「同吃一锅饭」をします。と言う風に、同じお鍋のご飯をシェアすることは連帯感をもたらし、仲間意識を強めることとなります。
同じ料理を食べるので、全員の口に合う料理を注文するのが大前提です。が、広い中国では好みは実に多種多様です。一般的には、「南甜北咸,东辣西酸(直訳すると、南は甘味、北は鹹味(かんみ)、東は辛味、西は酸味となりますが、語呂合わせの部分があって、東西南北の実際の味好みより、多様性を強調しています。)」と言われるように、南の人は甘味、北の人は塩味を好んでいます。おおむね、四川省の人は山椒辛味、山西省の人は酢味、東北は醤油味、上海は塩味、広東は甘辛と地域によって分かれています。
まずは相手側の好みを確認することが基本です。
「您有什么忌口吗?(何か召し上がらないものありますか。)」
「您想要吃点什么?(何にしましょうか。)」
「您喜欢什么口味?(お好みの味ありますか。)」
基本的に注文するのは招く側ですが、礼儀として、相手側に好きなお料理を頼むように勧めるのが一般的です。相手側もその場の雰囲気を見て、遠慮しつつ、1品程度を頼んだりします。
そして、旬の物、特産品、価格及び原料を考えながら、まずは「凉菜拼盘(前菜)」から注文を始めます。4種類のお惣菜の盛り合わせから、多い時は10種類に及ぶ場合もあります。代表的なのはクラゲの和え物、皮蛋、チャーシューなどの冷菜や海老や鶏肉の炒めものなどがあります。
ついでですが、中国人は偶数が縁起がいいと好むので、お料理も主菜は4、6、8品と偶数を頼むのが普通です。一般的には人数より1品多めに主菜を注文します。しかし、多い時は16あるいは32品の場合もあります。
続いて主菜になります。4、6、8皿のように偶数を注文し、30皿以上の時もあります。炸、蒸、煮、煎、烤、炒(揚げ、蒸し、煮、焼き、ベーキング、炒め)など、各種調理方法を取り入れた肉、魚、海老、鶏、野菜をあっさり味とこってり味と、分量よく組み合わせた主菜を注文します。
料理を褒める時によく使われる言葉として「色香味俱全(色、香り、味全て申し分がない)」があります。つまり、味だけではなく、見た目と香も大事です。
次に、スープを注文します。ちなみに、北の地方ではスープを最後に飲む習慣がありますが、広東などの南の地方だと最初に飲むのが習慣です。そして、ご飯や麺類の主食を注文します。最後は甜品、果品(お菓子や果物などのデザート)を注文し、これで一通りとなります。
飲物はアルコール、ジュース、ミネラルウォーターなど好みによりますが、お茶は基本的に欠かせないものです。ウーロンやジャスミンは一般的ですが、菊花茶も人気です。
食後は、
「不知道合不合大家的口味?(お口に合いましたか。)」
「要不要再来点儿什么其他的?(他に、何か召し上がりたいものがありますか)」
と食事の感想を相手に聞いてみるのもいいでしょう。ぜひ、試してみてください。
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張 意意
証券会社、コンサルティング会社で通訳・翻訳者として活動するとともに、アイ・エス・エス・インスティテュートで「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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●中国語ビジネスコミュニケーションコース●
コース案内動画はこちら
※張意意先生からのメッセージもありますので、ぜひご覧ください!
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