中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2021.02.04
スキルアップ
第65回 「ビジネス文章の特徴」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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ビジネス文章を上手に書くには三つのポイントをつかむことが大事です。
まずは、フォーマットをきちんと使い分けることです。
これは日本語も同じですので、分かりやすいと思います。私が新入社員の時、部長とお客様に出す手紙の内容を打ち合わせる前に、ひとまず「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」と書いていたことは今でも覚えています。違う用途ではフォーマットが異なりますが、サンプルは簡単に入手できます。
次に、できるだけ文章用語を使って、簡潔に要領よく書くことです。つまり「文章结构紧凑,思路清晰简明扼要」。中国語の場合は「连词(接続語)」を使うなどして、前と後ろの文の因果関係をはっきりと述べることです。
最後は難点かもしれませんが、「用词恰到好处(適切な言葉遣い)」、つまり正確に言葉を選び、表現したいニュアンスを出すことです。
ここで、よく使われる単語をリストアップします。
「务须、务必、谨、为荷、为盼、海涵、贵方、钧意、祈、尚祈、蒙、承蒙、见示、奉告、奉陈、特此布知、恕不」のような、尊敬や謙譲の態度を示す単語や、重みのある古風な表現もよく使われます。
また、「闻、知、悉、抵、至、赴、获、尤、特、甚、颇、速、即、可、勿、如、无、兹、原委、情由、吁请、即速、裁决、下属、属实」など、特に感情的色彩がない文言もよく使われ、引き締まった文章を作り上げます。
上記の単語を覚えたうえ、ビジネス書信、通知書、通告、申請書、報告書などにぜひ使ってみてください。E-mailでは、ややくだけた表現でも大丈夫です。
では、次回は同じことについての違う言い方、それぞれどう違うのか、つまり「ニュアンス」についてお話したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
融梗:意思是在网络文学创作过程中,把别人精彩的创意部分包括作品的人物设定和故事展开等抄入自己的作品。
融梗:オンライン小説創作において、人物設定およびストーリーの展開方などコアの部分に他人の創意を転用すること。
例:
融梗是否等于抄袭,正在展开着热议。
融梗は盗作であるかどうかについて、激しい討論が繰り広げられています。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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