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中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)

2021.06.02

スキルアップ

第69回 「慣用句」

第69回 「慣用句」

ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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今回は、日常でよく使われる「慣用句」について、覚えやすいように簡単に整理してみたいと思います。

「慣用句」は文字通り、習慣的に使われている言葉で、文字数や構造など特に決まったルールはありません。「打折扣(商品が一定の比率で減価する意味から、物事が規定や約束通りに果たされないことをいう)」のような3文字の単語で使われる場合もあれば、「绝不打一丝一毫的折扣(ちっとも譲歩しない)」のように短文として使われる場合もあります。「上不着天,下不依地(よりどころがない)」のような前後対称の形の文もあります。規則性がないのでシステマティックに処理するのが難しく、一つ一つ単独で覚えるしかありません。ネイティブレベルに達する過程において、難関の一つと言えるでしょう。

一方で、習慣的に使う言葉なので、決して難しい表現はありません。そのルーツを辿ってみるとなかなか面白く、イメージを膨らませて理解することで、身につくことも多いかと思います。ここでは、その語源のいくつかをご紹介します。

まずは、古書や民間に伝わってきたものです。
例えば、
风马牛不相及(馬と牛が迷子になっても、相手の群れには行くことがないことから、まったく関係のないことをいう」、「交白卷(白紙のまま答案用紙を提出したことから、任務を果たせなかったことをいう)」などがあります。

つぎは、方言やある特定の職業に使われる言葉が、一般的に、広範囲に使われるようになったものです。
例えば、
炒鱿鱼(広東方言):クビになる」、「摆龙门阵(四川方言):井戸端会議」など、
打预防针(医療行為から):悪い影響に抵抗できるように例える)、「唱独角戏(演劇から):一人芝居)」、「开绿灯(交通信号から):便宜を図るという意味に発展)」、「开小差(軍人が勝手に離れることから):注意力散漫」などがあります。

慣用句の多くは口語から定着している単語や短文、実生活から生まれた言葉なので、物事の性質や状態、或いは行為をいきいきと表現し、話す人の感情や態度をはっきりと表すことができます。ぜひ、たくさん覚えて、適切に使ってみましょう。

では、次回は、ウィチャットにあるいくつかの中国語の勉強に役立つサイトをご紹介したいと思います。ご期待ください。

マル今月の中国語新語:
躺平:对任何事情无动于衷,不关心,不参与,什么也不想做。
躺平:仰向けに寝る意味から、物事に無関心で無気力、やる気がないことを比喩します。

例:
躺平看似是妥协、放弃,但其实是“向下突破天花板”,选择最无所作为的方式反叛裹挟。(光明网)
「躺平」と言うのは、見た目は妥協や放棄のようですが、ある意味においては「最低限を破る」一つの手段であり、苦境を乗り越えようと無作為を選んでいるとも言える。

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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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