中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2021.08.04
スキルアップ
第71回 「最近見たテレビドラマ」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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人気連続ドラマ ― 「叛逆者」
中国人俳優の王志文さんが好きで、彼が出ている映画やドラマを毎回欠かさずに見ていました。6月7日からCCTV(中国中央テレビ)で放送した連続ドラマ「叛逆者」(全43回)にも彼の名前がキャスト一覧にありましたので、もちろん、テレビに釘付けで一気に見終わりました。
ストーリーは1936年から1949年にかけて、日中戦争及び国民党と共産党による内戦を背景に、国民党のスパイ学校で特訓を受けた若い工作員(朱一龍)が共産党の地下組織を破壊する任務にスカウトされたところから始まります。共産党員の女学生に接近し、逮捕、処刑の場に立ち会い、若い工作員は徐々に良心に目覚め、使命を感じ、愛情が芽生え、共産党員に接する度にその主義主張に感化され、ついに共産党員にまで成長する話です。
劇中で王志文さんが演じたのは、若い工作員と一緒に仕事をする国民党の諜報機関に潜伏している共産党の幹部で、日々情報を収集し、共産党に提供するスリル満点の役です。国民党の幹部と共産党の幹部という二重の身分を、彼ならではの目つき、身振り手振りで渾身の最高の演技を見せてくれました。年を取りしわも増えましたが、そのカッコ良さは年とともに重さと深みを感じさせます。たくさんの意味深長なセリフを独特の口調で話します。ユーモアだけではなく、裏には裏がありそうで、人を惹きつける魅力がいっぱいです。セリフの一言一言を繰り返し吟味するたびに、違う世界がすこしずつ見えてくる味わい深いものがあります。セリフをならうだけでも、中国語の口語表現を磨くのに役立つのではないかと思いますので、中国語を学習している皆様にはぜひおすすめしたいと思います。
同名長編小説をベースにしたフィクションドラマで、監督は周游、主演俳優が朱一龍、王志文、女優の童瑶など、そうそうたる顔ぶれです。愛情、友情、恨みと葛藤など複雑な一人一人の人間像がきめ細かく作り上げられており、人の心を掴み、自然で最高な演技を見せてくれたスパイドラマだと思います。銃撃戦の場面もあれば、知恵比べや心理戦の部分が多い分、言葉を巧みに操る場面がたくさんあり、全編が語学の勉強には絶好の教材です。
ぜひ、一緒に楽しみながら、中国語を磨きましょう。
では、次回は、「評書」をご紹介したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
杯葛:Boycott的音译词。联合抵制或集体抵制的意思。在台湾、港澳地区使用比较普遍。
杯葛:ボイコットの音訳。台湾、香港、マカオ地域でよく使われています。
例:
四五年前,曾有民调显示加拿大民众支持杯葛美国货。
四、五年前の某サーベイによると、カナダ国民の多くは米国製商品のボイコットを支持していました。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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