中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2022.02.03
スキルアップ
第77回 「中国四大古典ラブストーリーの四つ目『牛郎織女』」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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日本でも「織姫と彦星」の話は広く伝わっています。毎年七夕になると、人々は願いを書いた短冊を笹に結び、夜の大空に天の川を挟んだ明るい織姫と彦星を眺めます。中国の伝説とされていますが、話の内容がだいぶ違うようです。
ここでは、中国で広く伝わっている話をご紹介したいと思います。
昔、一頭の老いた牛と一緒に暮らし、毎日勤勉に土地を耕す貧しい牛郎(牛飼いの意味)がいました。ある日、牛が牛郎に、水辺へ行き水浴びをしている天女の一人である織女の服を隠すよう、唆しました。牛の言う通りにした牛郎は、服を探しにきた織女と知り合い、愛し合って、結婚することになりました。牛郎は今まで以上に農作業に励み、織女は織物をして、だんだん生活も豊かになりました。2人は子供を授かり、幸せな暮らしを送るようになりました。しかし、天に戻らなくなった織女に対し王母娘娘(天の女帝)が怒り、天兵を使って、織女を天に連れ戻してしまいました。悲しむ牛郎に、今度は牛が自分の皮を被って、子供と一緒に織女を探しに行くように言いました。子供を担いで天兵を追いかけ、追いつこうとするところ、牛郎と織女の間に大きな川ができました。牛郎と子供二人は手で水を掬い、川の水を全部掬いだそうとしました。とうとうその愛に感化され、王母娘娘は、年に一度だけ、旧暦の7月7日に織女と牛郎が会うことを許しました。それから、毎年のこの日にカササギたちが天の川に集まり橋を造り、織女と牛郎が会えるようになりました。
この話から、古くから中国人の「男耕女织」の生活スタイルや、人の運命は天に決められている「天主人命」の人生観が読み取れます。また、自由恋愛への憧れや固い愛のロマンが語られ、いまでは、バレンタインデーの代わりに、中国の「情人節」として、カップルたちがプレゼントを交換しあったり、一緒に過ごす日になっています。
中国語を勉強している方は、ぜひ原文で読んでみてください。
では、次回は、今年の干支「虎」についてお話したいと思います。ご期待ください。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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