中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2024.02.02
スキルアップ
第101回 「龍年を祝う言葉」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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あけましておめでとうございます。
新年好!
今回は予定を変更し、新年スペシャルとして、挨拶特集とさせていただきます。
今年は「辰年(龍年)」です。おめでたい龍年を祝う言葉を一緒に覚えましょう。
ちなみに、今年の旧正月(春節)は2月10日(土)です。
まずは一般的な新年の挨拶の復習です。お祝いの言葉のいつものパターンは、その年の干支プラスお祝いの単語です。
例えば、
祝您+
龙年+
快乐、富贵、平安、吉祥、祥瑞、鸿运
龙年+
吉祥如意、万事如意、心想事成、事业有成、财源广进、财源滚滚、万事胜意、
五福临门、步步高升、八方进宝、国泰民安、幸福美满、和谐兴旺、百事亨通
「龍」は十二支の動物の中で唯一の想像上の動物です。権力の象徴で、最も強い存在とされています。龍年だけに使われるお祝いの言葉は、ダイナミックでスケールが大きく、格好のよいものです。例えば、
龙凤呈祥
龙飞凤舞
龙跃九天
龙腾虎跃
金龙献瑞
など。
歌にもあるように中国人は自分たちを龍の子孫だと信じており、龍は古代から崇拝するトーテムです。龍の文字や想像した姿を書や絵、様々な工芸品にして飾り、魔除け、お守りとしています。
「积水成渊,蛟龙生焉(水が深淵となり、龍が生まれた)」や「龙从景云(龍が雲に囲まれて出てくる)と言われるように、龍は深い海の龍宮に住んでいて、大空を旋回し、雷や稲妻など自然界の各種現象をつかさどり、「呼风唤雨(風や雨を呼んでくる)、翻江倒海(川と海をひっくり返す)」と、多大な威力を持っている存在です。
農耕民族として、人々は干ばつや洪水を最も恐れ、豊作を祈るばかりでした。つまり、人々の運命そのものを龍が握っていると信じています。龍が守ってくれることで、中国人としての自信と自負が持てるようになります。
歴代の皇帝は自分を「真龙天子(空から降りてきた龍)」と自称し、「龙体(ご自分の体)」、「龙袍(着る服)」、「龙椅(座る椅子)」と身の回りの物に「龍」をつけたりします。殿堂の飾りに龍、階段の中央にも龍と、故宮博物館を見学すれば、至る所に龍の姿を見かけます。
庶民も龍年は幸運に恵まれると信じ、辰年に子供を産もうと、「龙宝宝(辰年の子)」はほかの干支より多いとも言われています。
今年も龍に守られ、いい一年であるよう、中国語が上達できるように頑張りましょう。
次回からは、「中国語学習のステップアップ」について、一緒に考えてみようと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
井蛙共振:井底之蛙只能看到井口大的天。互联网时代,指大量的人们只接收到相似或相同信息,如同井底之蛙产生共振效应,形成极端观点并扩散。人们只关注自己的小圈子,形成一种狭隘的世界观和价值观,限制了人们的思维和视野,还可能导致群体极化和社会矛盾的加剧。
井戸の中の蛙共感現象:小さな井戸の中にいる蛙は井戸の外の世界を知らない。ネット時代では、多くの人が井戸の中にいる蛙のように、類似した或いは同じ情報に影響され、それに共感し、極端な結論に至り、さらに広げていきます。彼らは小さなネットワークに閉じ込められ、思考と視野が制限されています。このような現象はグループの極端化、ないしは社会的な矛盾を加速する可能性さえあります。
例:
信息时代,我们要关注不同的媒体和平台发布的信息,了解不同的观点和思想,尽量规避井蛙共振现象,提高自己的辨别能力。
情報時代において、異なるメディアや発信先の情報を広く見たり、異なる観点や考え方を知ることで、自分の判断力を高め、「井戸の中の蛙共感現象」を避けるべきです。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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