中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2025.06.04
スキルアップ
第117回 「読みたい中国語の本を見つけましょう」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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よい本を読み続ければ、語学力のスキルアップにつながります。誰でもそう思うでしょう。
ところが、いざ始めてみると、「よい本」とは何か、何から読めばよいのかと戸惑う人も少なくありません。
私が日本語を習い始めた50年前の中国では、日本語の本はどこにも売っておらず、担任の日本人の先生が「中国に本を送る会」を作り、日本人の友人に寄贈してもらい、自分のリビングを図書館として全校の日本語の先生と生徒に開放してくれました。本の数が限られ、先生の推薦もあって、選ぶ悩みはありませんでした。
今中国語を学習している日本人の生徒さんにとっては、ネットショッピングの普及により、ボーダレス化が進み、日本にいても簡単に中国語の本を入手できる時代になりましたが、情報が溢れすぎて、簡単に調べることが出来るようになっても、いったい何を読めばよいのかと、かえって選ぶのに困ってしまうようです。そこで、生徒さんの立場に立って、一緒に考えてみようと思いました。
まず、「よい本」の意味から見てみますと、名作が挙げられます。つまり世間に公認された本なので、大多数の人に受け入れられ、一通り読む価値があるものです。次に、自分に合った本も「よい本」だと思います。人生のステージごとで求める本の内容も異なるので、趣味や専門に合った本を選びましょう。
勉強の面から見て、「名作」を読むことは中国語を上達させる最もよい方法の一つで、「精読」に適すると思います。一方、自分に合った本は容易にその内容に惹かれ、読書のスピードが上がりますし、一文一文が心に響くので、「速読」には最適です。
名作は簡単に一覧を入手できますが、自分に合った本については書評から入って、フィルタリングするのが効率的ではないかと思います。読書APPや出版社、新聞社、書店のHPにある新書紹介やお勧めなどを参考しながら、自分に合った一冊を見つけましょう。
参考用のAPP或いはHPを幾つかリストアップしますので、ご参照ください。
读写人:https://www.duxieren.com/
豆瓣年度读书榜单:豆瓣2024年度读书榜单
微信读书APP、华为阅读APP、读书网(https://dushu.com)
阅读掌阅版APP、番茄小说APP、追书神器APP、刺猬猫阅读APP、
Kindleなどがあげられます。
また、光明日報、人民日報など、各新聞の電子版にも読書ページがあるので、多いに参考になります。例えば、光明日報デジタル版には「中華読書報」のタブがあり、「書評週刊」があって、私の好きな一面があります。(中华读书报 -光明网)
次回は、「名作を読みましょう」についてお話したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
润:滋润、光彩。网络用语中,利用源自英文单词“run”的拼音化谐音(“rùn”),直译为“跑”、跑路、溜走、逃离”等含义。
润:中国語の発音記号(ピンイン)はrùnで、潤い、いい生活を意味します。ネット用語では、英語の「run」と読み替えて、走る、逃げる、逃亡する、を意味しています。両方の意味を兼ねて、つらい環境から脱出することや、近年海外に移住する人々のことを言います。
例:
工作太卷,我决定润了”。
仕事は競争が激しすぎて、辞めることにしました。
这两年来润到大阪的人越来越多。
昨今、大阪に移住する中国人が多くなってきています。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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