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Baby Stepsではありますが

2016.12.01

翻訳

第12回:終わりの言葉

第12回:終わりの言葉

冬がやってまいりました。急な寒さで体調を崩しやすく、またインフルエンザやその他ウイルス性の胃腸炎も流行る季節ですので、皆さまくれぐれもお体には気を付けてお過ごしください。

さて、1年間続いたこのほぼ自己満足コラムもいよいよ今回が最後になりました。フリーになって10年という節目の年に、Baby Stepsではあるもののプロとして歩んできた道のりを振り返る機会に恵まれ、感謝しています。将来翻訳者(あるいは通訳者や翻通者)を目指している方々やプロとして活躍しながらも迷いを抱えていらっしゃる方々に、少しでも壁を打破するヒントとなるようなことがお伝えできたことを祈ります。かつてスクールブログで「座右の銘」を書いたとき、思い浮かぶ恩師5人から頂いたたくさんの「座右の銘」からどれを取り上げるか悩んだことがありました。実は本コラムをお引き受けするにあたっては、その時書けなかった数々の「座右の銘」も紹介できたら、と目論んでいたのですが、一部はご紹介できたものの、まだまだ全部ではありません。特に今回、通訳については最低限しか書けませんでしたので、通訳のスキルアップやキャリアパスにおいて多大なるご指導をくださいましたT山先生についても色々書きたかったですし、1つの分野を極めるということを教えてくださった私にとって上司のような存在の大ベテラン通訳者のKさんに登場してもらえなかったのは後悔が残りますが、そうした方々についてはまた別の機会に。

1文字いくら、1ワード何円という仕事をしている翻訳者というのは、さながら苗を1株1株植え、稲を1穂1穂収穫し、米粒を1粒1粒脱穀するような、第6回「翻訳業界見聞録」で出てきたAB会長の表現を借りると「農民のような」地道かつ地味な仕事をしています。ですがとことん言葉と向き合えるという幸福がそこにあります。通訳は通訳で、ジェットコースターに乗っているような緊張感やスピード感を味わうことができ、また何より直接に人と接して良くも悪くも直接フィードバックを頂けるというやり甲斐があります。いずれにせよ、一生勉強が求められ、飽きることのない仕事に出会えて幸せだなぁ、と心から思います。

どちらかに特別秀でているわけではないから、どっちつかずのキャリアになってしまっているに過ぎないのですが、両方とも楽しめていて、両方ともご依頼いただけているうちは、翻通者としてその違いと相乗効果を楽しんでいきたいと思います。今後もBaby Stepsではありますが、昨日の自分よりも少しでも前進しているよう努めていきたいと思います。と同時に皆様の引き続きのご活躍、今後の更なる飛躍を応援しております!

Merry Christmas & Happy New Year!

西山より子


上智大学外国語学部英語学科卒業。総合電機メーカーにて海外営業職を務めた後、経済産業省外郭団体の地球観測衛星運用チームにて、派遣社員として社内翻訳通訳に従事。翻訳会社でコーディネーター兼校閲者を経験した後、フリーランスとして独立。主に、国際協力、地球観測衛星、原子力発電、自動車など、産業技術系実務翻訳通訳を手がける。

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