中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2017.03.02
スキルアップ
第18回 「中国人がよく間違える中国語の読み方」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生が執筆します。すぐに使えるフレーズがたくさん詰まっていますので、みなさまのお役に立つこと間違いなしです。今回は、「中国人がよく間違える中国語の読み方」です。どうぞお楽しみください。
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中国は国が広いゆえに、中国語にも一つのものでも複数の名前を持つものがたくさんあります。
例えば、キャベツを地方によって、圆白菜、洋白菜、卷心菜、包心菜と呼び、サツマイモを地瓜、白薯、红薯、番薯、甘薯、山芋などと呼びます。同じものでもさまざまな呼び方があります。地域によって呼び方が違うので、現地に合わせた適切な呼び方を覚えましょう。中国人自身も戸惑いますが、大体「你们那里这样叫呀?我们这里不这么叫。(言い方が違いますね。)」と一言添えて片付けてしまいます。
ところで、今回ご紹介するのは、上で述べたような、同じものでも地域によって呼び方が異なるものではなく、中国人が普段話している中国語が、実は間違った使い方であるものについて紹介していきたいと思います。
日本語にも「捏造―でつぞう」を「ねつぞう」など、間違っている読み方でも知らず知らずのうちに習慣となって、普段の会話等で使われていることがあるように、中国語にも辞書や教科書に書かれている発音と異なる発音で一般的に使用されてしまっている単語はたくさんあります。中国人は多くの場合、「睁一只眼闭一只眼(大目に見る)」です。つまり間違っていることを知っていながら特に追及をしない間違いです。これらの間違いを知っておけば、自分の耳を疑ったり、戸惑ったりすることを防げるでしょう。
卡:動詞の場合qiǎと発音、名詞の場合はkǎと発音しますが、かなりの数の中国人は特に意識せず、動詞でもkǎと発音します。
书包被车门卡(qiǎ-正 → kǎ―誤)住了。(カバンがドアに挟まれた)
脂肪 zhīfáng-正 → zhǐfáng―誤 (脂肪)
说服 shuìfú-正 → shuōfú―誤(説得)
拓片 tàpiàn-正 → tuòpiàn―誤(拓本)
载歌载舞 zàigēzàiwǔ-正 → zǎigēzhǎiwǔ―誤(歌いながら踊ること)
一曝十寒 yīpùshíhán-正 → yībàoshíhán―誤(ちょっとだけ頑張って、すぐ怠けてしまうこと)
心宽体胖 xīnkuāntǐpán-正 → xīnkuāntǐpàng―誤(寛大な態度によってふくよかとなること)
上記例文のように、多音字(幾つかの音を持つ漢字)が殆どで、中国人にとっても、頭が痛いところです。一緒に勉強しなければなりませんね。
●今月の中国語新語
「不可描述」:微妙で、説明不可能或いはしたくないことからPM2.5へと
もともとはガッカリする、恥ずかしい、人に知られたくないことを説明する際に使われるごまかし的な言い方です。ネットで流行り、相手にはっきり伝えたくないことや、駆け引きをする時に使うようになりましたが、2016年12月後半の天気予報では、PM2.5のことを「不可描述气候现象(説明不可能の天候)」と報道したことにより、さらに炎上しました。
・例文:
京津冀天空又蓝转灰,不可描述再度来袭。—天气预报(北京、天津、河北省一帯、晴天からグレーに転じ、不可描述(MP2.5) が再度襲来。―天気予報より。)
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張 意意
証券会社、コンサルティング会社で通訳・翻訳者として活動するとともに、アイ・エス・エス・インスティテュートで「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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●中国語ビジネスコミュニケーションコース●
コース案内動画はこちら
※張意意先生からのメッセージもありますので、ぜひご覧ください!
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