中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2019.06.05
スキルアップ
第45回 「仕事で気づいたこと」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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今回は仕事で気づいたことをお話ししたいと思います。
訳文を納品して間もなく、「白菜は白菜ですが、なんでキャベツも白菜なのですか。」とクレームを受けたことがあります。誤訳だったのかなと心配しましたが、確認しましたら、ちゃんと「圆白菜」と訳していました。先方に「圆」が付いていることを説明すると、「卷心菜」ではないのですかと言われました。
同じように「アイスクリームの訳が間違っていますよ。」とのクレームを受け、不思議に思い確認しましたら、担当者は「冰淇淋」しか知らなかったため「冰淇凌」を誤訳と判断されたことが分かりました。
「何種類もの言い方がある身近なもの」というのは実にたくさんあります。幾つか例を挙げると、
サツマイモ:白薯、红薯、地瓜、甘薯、山芋、甜薯、金薯
キャベツ:洋白菜、圆白菜、卷心菜、包心菜
アイスクリーム:冰淇淋、冰淇凌、冰激凌、冰糕
自転車:脚踏车、自行车、单车
など。
特に、イモ類は形や種類が多いので、名前がとても多いです。地方によっては、サツマイモのことを「山药」といいますが、違う地方では「山药」は長芋のことを指します。私自身も現地の人たちに確認しないとわからない場合がたくさんあります。
仕事というと、商談や企画、戦略などを連想しがちですが、実はこのような大掛かりなことは人と相談したり、確認したりすることは当たり前のことなので、堂々と上司や同僚と意見を交わすことができます。かえって、一見できそうでできないこと、不確かなこと、簡単な単語やフレーズの方がなかなか他人に聞くことや相談することができなく、悩まされたり、間違ったりすることが多いのではないでしょうか。
同じ物なのに、地方によって名前が違ったり、中国人が間違った発音をするケースなど、仕事場でまわりに教えてもらえないことを学校でしっかり確認し、把握しておくと安心ですね。
中国人が、教科書や辞書と違った発音をするケースについて、例を挙げると、
脂肪 zhifang の脂は辞書では第一声と書かれていますが、第三声で発音したり、卡住 qiazhu の卡をka で発音したりするなどがあります。
言葉は生きているものなので、常に変化しているし、新しい言葉も絶えず生まれます。知らないことや間違えることを恐れずに、日々向上することが語学勉強の楽しいところかもしれませんね。
では、次回は、「日本語から取り入れた中国語の単語」をご紹介したいと思います。ご期待ください。
今月の中国語新語:
流量明星:指那些深受欢迎、粉丝众多、拥有极强号召力的明星。“流量”一词形容该明星极高的商业价值。
「流量明星」とは、人気上昇中で、ファンが多く、影響力のあるスターのことを言います。特に「流量」はここでは、市場価値が高い芸能人のことを言います。
例:近年来流量明星带来的流量泡沫,让娱乐圈出现了畸形。
最近、「流量明星」によるバブルで、芸能界に異常現象が起きている。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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●中国語ビジネスコミュニケーションコース●
🍀コース案内動画はこちら
※張意意先生からのメッセージもありますので、ぜひご覧ください!
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