中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2022.01.07
スキルアップ
第76回 「中国四大古典ラブストーリーの三つ目『孟姜女哭長城』」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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私が小学生の時は、文化大革命の真っ最中でした。「階級闘争」つまり、労働者が支配者に搾取、圧迫され、ついに革命を起こして支配者を打ち倒し、時代を前進させたのだと教わる毎日でした。自ずと、「孟姜女哭長城」はラブストーリーではなく、労働階級の孟姜女の夫が支配者の秦の始皇帝に搾取され殺されるというバージョンで語られました。しかし今市販されている童話集には、恨みや革命より、人情、愛情、悲願の要素が組み込まれています。あらすじは下記の通りです。
秦の時代、孟氏が植えた瓜の蔓が隣に住む姜氏の庭に伸び、その先に大きな瓜が出来ました。瓜を割ると、中に綺麗な女の子が座っていました。その子は「孟姜女」と名付けられ、両家に大事に育てられました。
その時代、秦の始皇帝が万里の長城を造るため、全国各地から男子を強制的に集めていました。そこから逃れようとした書生の範公子がたまたま孟氏の家に逃げ込み、庭を散策している孟姜女と出会いました。
孟姜女は範公子に一目ぼれし、泊めてあげるよう父親に頼みました。父親も範公子の礼儀正しいところが気に入り、しばらく一緒に生活するようになりました。そして、二人は愛し合い、結婚することになったのですが、結婚式の三日後に、突然兵隊が門を破り、範公子を連れて行ってしまいました。
一年待っても夫が帰ってこないので、孟姜女は万里の長城まで探しに行こうと、雨の日も風の日も歩き続けました。しかしやっと万里の長城にたどり着いた時、待っていたのは夫がすでに死んでしまったという知らせでした。
彼女が悲しくてずっと泣いていると、突然、長城の一角が崩れ、夫の遺骨が出てきました。
長城の一角が崩壊したことを聞いた秦の始皇帝は驚き、孟姜女を連れてくるよう命令しました。孟姜女の美しい姿に秦の始皇帝も見惚れてしまい、妾にしようとしました。孟姜女はそれと引き換えに、夫の立派な葬式を挙げてくれるよう頼みました。お葬式を終えると、孟姜女は海に身を投げました。海底宮殿の龍宮に住む海の王様が孟姜女に同情し、彼女を龍宮に招くこととなりました。
違う時代にはまた違うストーリーで語られていたことを意識しながら、異なるバージョンの昔話を読んでみてはいかがでしょうか。
では、次回は、「牛郎織女」についてご紹介したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
嗨:原本感叹词。比如“加油干呐,嗨!”。现在表示开心、快乐。也有“口嗨”的用法表示吹牛、撩骚。
嗨:もともとは感嘆詞。例えば、「頑張ろうよ!」今は、「楽しい、嬉しい」に使われています。また「口嗨」の使い方があり、ほら吹き、異性を惹きつける場合に使われています。
例:
让我们今天晚上一起嗨。
今晩、一緒に楽しく過ごしましょう。
口嗨型的男人是靠不住的。
ホラ吹きな男性(女性にだけ調子のいい)男性は頼りにならないです。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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