中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2023.05.09
スキルアップ
第92回 「北京弁」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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北京語の特徴というと、まず例としては「儿话音(単語の後ろに「児」を付けて連読すること)」が挙げられます。どの語彙、どの漢字の後に付くかはルールがなく、その環境で生活しなければ、なかなかよくわからないものです。
例えば、地名一つにしても「東便門児」には「児」が付きますが、「朝陽門」には「児」が付きません。また、「児」を付けることによって、意味が変わってしまう言葉もたくさんあります。例えば、「印」は判子のこと、「印児」は跡の意味につかわれます。
このように北京語、正確に言えば北方方言の「儿话音」や、北京方言にしかない「犄角旮旯儿」、「起灯儿」などの特殊な言い方以外にも、イントネーションが標準語と違っているものがたくさんあります。
私も発音が間違っていたとびっくりしたことがあります。それは、初めて北京の地下鉄に乗っていた時のことでした。
「下一站呼家楼站(次の駅は呼家楼)」と、アナウンスに「呼家楼」の「呼」を一声で発音しました。私はずっと二声で何十年も言いつづけ、バスの車掌さんももちろん同じ二声なので、みんなが同じだとそれが正しいと疑うこともなく、自然に正しいと思っていました。
よく考えてみると、標準語ではない所謂「北京弁」を私が普通に使っている言葉はたくさんありました。
例えば:
| 単語 | 文字 | 北京弁の発音 | 標準語の発音 |
| 教室 | 室 | 三声 | 四声 |
| 脂肪 | 脂 | 三声 | 一声 |
| 召开 | 召 | 一声 | 四声 |
| 大栅栏 | 栅栏 | Shi二声lanr四声 | Zha四声lan二声 |
など。
このように、「北京語」は標準語と大差がなさそうですけれども、結構違います。「乡音难改(故郷のアクセントを変えるのは難しい)」と言われますが、仕事では気を付けるようにしています。
次回は「温州商人」についてお話したいと思います。ご期待ください。
今月の中国語新語:
乙类乙管:2022年12月26日,中国国家卫生健康委员会发布的《关于对新型冠状病毒感染实施“乙类乙管”的总体方案》指出,2023年1月8日起,对新型冠状病毒感染实施“乙类乙管”。也就是作为乙类传染病对待。其他的乙类传染病还包括艾滋病、病毒性肝炎等。
乙類乙管:2022年12月26日に中国国家衛生健康委員会が発表した『新型コロナウィルス感染症を乙類感染症として管理する総案』に、明確に新型コロナウィルス感染症を乙類感染症として位置づけると表明しました。その他に乙類感染症にはエイズやウィルス性肝炎などがあります。
例:乙类乙管后外出可以不戴口罩,但在拥挤的公共场所依然要注意做好防护措施。
例:「乙类乙管」を実施することによって、外出する時、マスク着用の義務はなくなりましたが、人出の多い場所では、やはり予防処置を十分施す必要があります。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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