中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2023.07.04
スキルアップ
第94回 「四川辣妹子」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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中国では四川省の若い女性を「辣妹子(辛い妹)」と呼んでいます。
「一方水土一方人(生活環境によって人々の性格が違う)」と言われるように、四川省は盆地や山地からなる複雑な地形で、夏は湿気が多く、非常に暑いです。体にこもった湿気を取るために、現地の人々は辛い食事を好むようになり、「辣」が食生活の特徴として知られています。「辣妹子」も辛い料理から名を得たのです。
ところが、四川の女の子たちはその辛い料理が好きなだけではなく、勤勉で明るく、活発でサバサバしていて気が強い一面を持ちながら、心が優しく、接しやすいイメージもあります。
四川の女性たちの自信満々であっさりした性格は、一説によると、四川は地理的に平野部の中原から遠く離れ、地形も険しいので、中原の「男尊女卑」などの思想の影響が少なく、しきたりに束縛されなかったため、女性の家における地位が比較的高く、大きな声で率直に意見できたと言われています。その刺激的な迫力は「辣」に負けないものですね。
また、四川の方言が持つ愛らしい起伏と重ね言葉は、きつい表現でも、若い女性たちの口から出ると、響き良く魅力溢れるトーンに聞こえてきます。さらに、盆地で日照時間が短いため、白くてみずみずしい肌を持つ女性たちは一段と美しさを感じさせます。これもまた「辣」だけどやめられない四川料理に似ているところがあります。
「辣妹子(辛い妹)」は、「四川辣妹子」のほかに、同じく料理の辛い湖南省の若い女性(湘妹子)にも使われています。が、四川省を代表する「麻辣」と湖南省を代表する「甜辣」は、「辣」の文字は同じでも味が全然違うように、四川と湖南の女性たちの性格もまた違います。ぜひ、ご自分の周りの「四川辣妹子」と「湘妹子」を観察してみてください。
各地域の人たちの特殊な呼び方がほかにもたくさんあります。次回は「江西老表」についてお話したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
emo:网络流行语,指:我的负面情绪来了。也可以理解成“我颓废了”、“我抑郁了”、“我傻了”等等。
emo:ネット用語。自分のネガティブ感情を言います。「やる気がない」「鬱になった」、「バカになった」などに使われています。
例:现在的年轻人经常把“我emo了”挂在嘴边。受了委屈会“emo”,缺少社交活动会“emo”,数学课听不懂也会“emo”。
例:今の若者たちはよく「emoしてしまった」と言います。例えば、「誤解された時」「ソーシャルコミュニケーションが少ない時」、ないし「数学の授業が分からない時」まで「emoしてしまった」を使っています。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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