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中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)

2024.01.06

スキルアップ

第100回 「私が愛読する一冊(その4)」

第100回 「私が愛読する一冊(その4)」

ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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今回のお薦めの一冊は現代作家である豆豆氏の「遥远的救世主(遥かなる救世主)」です。実は、この小説を読む前に、小説をもとにした24回の連続テレビドラマ「天道」を見たのです。

私の大好きな俳優王志文が演じる、海外で成功して帰国した実業家のスマートな姿や奥深い語り方に惹かれ、彼を中心に登場する高僧、商人、農民、目先のちょっとした利益を貪る人、友人のために献身的な人、友人だから簡単に搾取しようとする人など、改革開放後の人々が一夜にして運命を変えようとする心理的な変化、伝統文化の影と激変する世相を楽しく見ていました。

しかし、ドラマではどうしても、演じる俳優の人柄や容貌に影響され、短時間でストーリーを「走马观花(大雑把に表面しか知ることが出来ない)」消化することとなります。そこでじっくり原作を読もうと、本屋の店頭に置いてある分厚い原作を手に取りました。

この小説は文学性よりも、90年代の中国におけるビジネス環境や、改革開放後の人々の信仰、恋愛、夢、葛藤、並びに外国とのかかわり方などを描き、鋭く問題提起をしています。伏線で描かれている、私の知らない現代中国社会で繰り広げられている義理人情と利益関係、力関係、人々の理想と現実を一気に読み終えました。ストーリーの展開とともに波乱万丈の時代の変遷に正直、衝撃を受けました。

作者である豆豆(本名 李雪)は1970年に生まれた女流作家で、2005年にこの小説を最初に発表しました。小説は2007年に連続ドラマ化され、2021年以降ドラマがネットに広く発信されることによって、再度ベストセラーに押し上げられ、名場面や名句はいまだにネットで拡散している状態です。

ビジネス小説として、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

次回からは話題を変え、「中国語学習のステップアップ」について、一緒に考えてみたいと思います。ご期待ください。


今月の中国語新語:
搬砖:原指搬运砖块。网络中引申为辛苦、机械性重复性、低廉的工作。此外,还有用于打麻将。

搬砖:もともとの意味は「レンガを運ぶ」ですが、ネット用語として、重労働、ルーティンワーク、ペイの低い仕事をいいます。ほかに、麻雀をすることにも使われます。

例:
A:你在做什么工作呀?
B:搬砖。

A:お仕事は何ですか?
B:レンガ運びです(具体的な仕事内容を相手に知らせたくない時、自慢できない時に言います)。
 

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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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