第106回 「抖音（TikTok）」

ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム～更上一層楼（更に上へと）」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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先日、北京から東京に戻る飛行機で隣に座っていた若者は、TikTokの社員で、渋谷にある支社を訪れるため、初めての東京だそうです。やや興奮気味の彼は、飼っている柴犬の話から、東京の観光地や東京での生活について調べがついたことを話してくれました。そして、自然に自慢のTikTokの使い方や世界での人気ぶりを紹介してくれたり、ほかのアプリにない便利さなどを教えてくれました。

そう言えば、北京で新しい携帯電話を購入した時、店員さんが「使い方がわからない時、或いは使おうとする機能があるかどうか調べたいとき、とにかく困ったときに、とりあえずTikTokにキーワードを入れて検索すれば、いろいろなアイディアが得られるし、動画で丁寧にステップバイステップで使い方を教えてくれるから」とマニュアルの代わりにTikTokを薦めてくれたことがありました。

TikTokは娯楽を楽しむだけではなく、生活の知恵、困ったときの助けなどの役割を果たし、常にそばにいる相談相手のようなツールとして、広く愛用されているようです。

もちろん、一方的に情報を得ることもできますが、自分のソーシャルネットワークを作ってインタラクティブに交流したり、発信することもできます。

最近、大手企業のPR拡散にもTikTokが注目されるようになり、企業の参入によって、コンテンツもより洗練されたものとなってきました。

15秒から60秒程度の個性的で短い動画を通じて、中国語を勉強し、中国人と交流を深め、さらにビジネスチャンスをつかむことができるこのアクティブでダイナミックなアプリ、本当に素晴らしいものです。

手軽に情報をゲットし、友人や知人、知らない人とまで交流できるネット時代に実に感心しているところです。振り返ってみれば、自分が日本語を勉強し始めた頃は、日本語の辞書や音声を手に入れるのがほぼ不可能で、教科書は先生の手書きでした。

時代の恵に感謝しながら、大いに享受しようではありませんか。

次回は、夏に欠かせない「鬼と幽霊の話」についてお話したいと思います。ご期待ください。

●今月の中国語新語：
雪糕刺客：店家冰柜里的“普通雪糕”，当你顺手拿一个去结账时，价格令你大吃一惊，但此时已经不好意思再放回去了。看起来其貌不扬的雪糕，但你付钱的时候它的价格就偷偷地刺了你一剑。这突然的“致命一击”，网友们将其取名为“雪糕刺客”。

アイスクリーム刺客：店の冷凍庫にある「普通のアイスクリーム」ですが、買い物のついでに手にとり清算する時、その高価さに驚かされますが、戻すには恥ずかしく、支払わざるを得ないがっかりした場面を意味します。目立たないアイスクリームにこっそりと刺される「致命的な一撃」を「アイスクリーム刺客」とネットで騒いでいます。

例：
雪糕刺客的出现，原因之一是过多的营销导致成本飙升。真正要做的是良性竞争，一股脑地投入到中高端市场只会与消费者“两败俱伤”。

アイスクリーム刺客現象は、過度の販促によるコスト上昇がその原因の一つです。正当な競争は必要ですが、高価を求めるだけでは、商品も消費者も傷付けられるに違いありません。
 

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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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