中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)
2024.10.02
スキルアップ
第109回 「日中翻訳で間違えやすい単語」
ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム~更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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日中翻訳において悩まされることの一つは、日本語に出てくる漢字をそのまま使っていいかどうかです。長い年月が経って、同じ漢字でも意味が少し違ったり、使い方が違ったりしています。
例えば、「十分」と「充分」、
発音は同じ「じゅうぶん」です。日本語の辞書を引くと、「十分・充分」と二通りの当て字を合わせて説明されています。が、中国語では、意味が違います。
お気持ちは十分理解しています。(我十分理解您的心情。)
問題の深刻さを十分認識しなければなりません。(必须充分认识到问题的重要性。)
明日からの旅行は準備万全です。(我们为明天的旅行做好了充分的准备。)
ご提案に非常に満足しています。(我们对您的方案十分满意。)
アメリカの修学旅行が待ち遠しいです。(我们十分期待着去美国修学旅行。)
また、「時、時間と時期」の中国語訳は、そのまま「时、时间、时期」と対訳が出来る場合もあれば、ケースバイケースで訳も多種多様あります。
例えば、
開催期間、開催時間(展览时间、开放时间)
ジョギングの時、いつも会うおばあちゃんです。(总是在跑步的时候遇到的老奶奶。或いは、跑步时经常遇到的老奶奶。)
釣りに夢中で、気が付いたら何時間も経っていました。(钓鱼着了迷,一下子几个小时过去了。或いは一下子过去大半天。)
部長が1時間半にわたって、部下を叱責しました。(部长批评手下长达一个半小时。)
一時期、株価は高騰しました。(股价一时飙升。)
キャンペーン期間中に商品が提供できない時期があったことが問題視されました。(促销活动中,一段时间内不能够提供商品,引起关注。)
訳例はほかにもありますが、ここで強調したいのは同じ漢字をただそのまま移してはならないことです。
次回は、引き続き、「日中翻訳で間違えやすい単語」についてお話したいと思います。ご期待ください。
●今月の中国語新語:
奔奔族:也就是“东奔西走”族,指生于1975-1985年间的中国一代人,被称为当前中国社会中最重要的青春力量,同时也是社会压力最大、最热爱玩乐却最玩命工作的族群。
奔奔族(ベンベン族):つまり忙しく走り回っている人たちのこと。1975年から1985年の間に生まれた人たちは中国において、今、最も元気よく、一所懸命仕事をし、精一杯遊んでいます。が、最も負担が重いプレッシャー世代でもあります。
例:
现实的压力让他们不得不在事业上使出浑身解数,高薪、发展空间成为奔奔族最关注的焦点。事业上的巨大压力导致健康状况不容乐观,致使出现“过劳死”,因此他们高度重视健康,是健身的铁杆狂热分子
生活のプレッシャーにより、「ベンベン族」は高い給料とチャレンジできる空間を求め、できることを何でもやらなければならない状況に置かれています。過労死がでるまで体に負担が多いことから、彼らは、健康に気を付け、ジムトレーニングに夢中になっています。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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