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和田泰治のプロの視点『読書三到~或る通訳者の本棚』

2026.02.02

通訳

第7回:『現代用語の基礎知識』(自由国民社) 『現代用語の基礎知識(学習版)』(自由国民社) 『図解まるわかり時事用語』(新星出版社) 『月間新聞ダイジェスト』(新聞ダイジェスト社)

第7回:『現代用語の基礎知識』(自由国民社) 『現代用語の基礎知識(学習版)』(自由国民社) 『図解まるわかり時事用語』(新星出版社) 『月間新聞ダイジェスト』(新聞ダイジェスト社)

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 和田泰治

所謂「時事英語」を学習するために購読している書籍については以前ご紹介したが、英語の学習をする、しない、にかかわらず幅広いトピックスについての最新の知識を学習し続けることも心掛けている。今回は毎年定期的に発刊されている出版物の中から筆者が購読しているものをご紹介したい。

掲題の複数の出版物の中でも「現代用語の基礎知識」との付き合いは非常に長く半世紀近い。過去にも何度かブログで述べてきたことだが、思い起こせば通訳者としての長い道のりの出発点は学生時代に英語でのティベートに携わったことに遡る。ディベートの中でもPolicy debateと呼ばれる、特定の政策の可否を討論するディベートをクラブ活動として行っていた。財政や国防、食料、環境、福祉、エネルギーなど様々な分野の政策について現状の政策に対する新政策を提案し、肯定側と否定側に分かれた討論を経て勝敗を決する。当時は1980年代の初頭という大昔である。インターネットのイの字も無い時代だ。ディベートチーム全員で何週間も朝から晩まで図書館へ通い詰めては関連の書籍や雑誌、新聞の切り抜きなどのコピーをとったり手書きでノートに書き写したりと四苦八苦したものだ。そんな時に身近な座右の書として多くの学生ディベーターが頼っていたのが「現代用語の基礎知識」だった。その情報量に比して価格も手ごろで、政治、経済、科学、社会問題など幅広い分野のトピックが一冊の中に収められている。実に貴重な情報源だった。こうした現代用語辞典的なものは、その後、朝日新聞の「知恵蔵」や集英社の「イミダス」などいくつか類似物が刊行されたが、インターネットが普及するにしたがって廃刊になったりネット上での公開だけになったりして、現在紙媒体で利用できるのは「現代用語の基礎知識」だけになった。その昔は大判サイズの600ページを超える分厚いものだった。雑魚寝する際には枕にもなると重宝されていたくらいだったのだがいつしかサイズもひとまわり小さくなり、現在ではボリュームも200数十ページに縮小された。とは言え、一冊読み通せば相当な情報をインプットすることができる。

「現代用語の基礎知識(学習版)」というのはこれをさらにコンパクトに編集し直したものだが、決して中高生向けというわけではない。「現代用語の基礎知識」のほうは各テーマ毎に専門家が執筆しており、見出し語の選択や解説に執筆者自身の意見が反映した編集になっているのが特徴なのだが、学習版のほうは、より一般的、教科書的な解説書といった趣である。毎年両方を読むことにしている。

もう一冊は「図解まるわかり時事用語」だ。こちらも毎年末に刊行され、その年の時事問題の中から重要なものを70数テーマ選んでそれぞれ簡潔に解説してある。図解と謳っている通り、各テーマの解説はグラフや図表、写真、イラストなどの視角的な情報が中心になっているのだが、この一連の図解が無駄が無く非常にわかりやすい。

これらに加えて定期購読しているのが「月間新聞ダイジェスト」だ。こちらは書籍ではなく月刊誌だが、1か月前の新聞6紙の主要記事を分野ごとにまとめて読むことができる。時事問題の情報を補完するための強力なツールである。

通訳スクールに通学すると講師の先生から「新聞を読みなさい」という指導をよく受けるのではないだろうか。最も旬なニュースに毎日目を通す習慣をつけることはとても大切だ。ただそれだけでは不十分だと思う。日々のニュースは言わば「点」である。守備範囲の広い通訳者としては日々刻々と変わる膨大なトピックに目を配りながらも定期的に一連の情報をまとめて連関的に、俯瞰的に整理して見直し、個別のニュースの「点」を「線」として、「面」として、さらには立体的な観点から大局的に把握することが重要だと思う。今回ご紹介させて頂いた一連の刊行物はそうした目的を達成するため自分にとっては大いに役立っている。

今回はここまで。ごきげんよう。

和田泰治


英日通訳者、アイ・エス・エス・インスティテュート 東京校英語通訳コース講師。明治大学文学部卒業後、旅行会社、 マーケティングリサーチ会社、広告会社での勤務を経て1995年よりプロ通訳者として稼働開始。 スポーツメーカー、通信システムインテグレーター、保険会社などで社内通訳者として勤務後、現在はフリーランスの通訳者として活躍中。

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