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ワンランクアップの英語表現

2021.01.05

スキルアップ

第139回 「洋服関連の英語表現」

第139回 「洋服関連の英語表現」

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 

「冬は寒いから苦手」とかつての私は思っていました。しかし最近は発想を変えることにしたのですね。具体的には「冬ならではの装いを楽しむ」ということ。クリスマスの時期なら赤や緑を、お正月なら赤や白という具合に、色で工夫しています。また、私の場合は年中を通じて「曇天や雨天時にはあえて明るい色の服」と決めています。身に着けるものが明るいと、それだけで気分もアップするように思っているのですね。


今回は洋服に関連した用語を用いたフレーズを見てみましょう。


roll up one’s sleeves 本気で取り組む

I am so proud of my daughter since she has finally rolled up her sleeves and decided to pursue her goal. (私は娘をとても自慢に思っています。というのも、自分の夢を追い求めようと決意し、ようやく本気で取り組み始めたからです。)

「袖をまくる」は英語でroll up one’s sleevesと言いますが、慣用句として「本気で取り組む」という意味があります。確かに日本語でも「腕まくりして頑張る」といった表現がありますよね。

ちなみにsleeveの語源は古英語のsliefe(袖)から来ています。元の意味は「滑る」です。腕を滑るように入れるという行為から生まれた単語なのですね。


bet one’s shirt on … ~はきっと大丈夫だ、確信している

You can trust her.  I bet my shirt on it. (彼女は信頼できるよ。私は確信しているよ。)

「~は大丈夫だ、確信している」を英語でbet one’s shirt on … と言います。他の意味としては、「最後の有り金まで賭ける」もあります。また、shirtの他にbootsを使うこともできます。

一方、「シャツを着る」はput on one’s shirtです。onの位置が上記とは異なりますよね。なお、「ワイシャツ」は英語のwhite shirtから来た和製英語です。


3 hit below the belt ひきょうなことをする

One should never be hitting below the belt.  Be honest. (ひきょうなことをやっては決していけないよ。正直でなければならない。)

「ひきょうなことをする、不公平なことを人に対してする」を英語でhit below the beltと言います。元はボクシング用語で「パンチを打つ位置がベルトより下になること」を表します。これはルール違反なのですね。

ところで私は幼いころ、海外で暮らしていたのですが、よく耳にしたのが”That’s not fair!” という表現でした。複数の友達と遊んでいたときでした。イギリスやアメリカなど、英語圏の国はとにかく「フェアであること」を重視すると思います。


hot under the collar カンカンに怒って

Just because you were in a bad mood doesn’t justify you to get hot under the collar(機嫌が悪かったからと言って、カンカンに怒ることを正当化はできないよ。)

口語で「カンカンに怒る」を英語ではhot under the collarと言います。初出は1895年ですので、かなり前から存在する表現ですよね。人は怒りをあらわにすると、顔や襟元が真っ赤になります。そこから生まれたフレーズです。

ところでcollarは「衿」「首輪」などの意味がありますが、他にも実はたくさんの語義を有する単語です。たとえば、「グラスについたビールの上部にできる泡」「靴の履き口のまわりに付ける飾り革」「豚肉などのロール巻き」といった具合です。知っている単語もあえて調べ直してみると、新たな発見があり興味深いですよね。

今月は洋服関連の単語を使ったフレーズをご紹介しました。さあ、2021年も始まり、みなさんも気持ちを新たに色々な目標を立てておられることでしょう。何かと心がざわついてしまうニュースが多い昨今であるからこそ、まずはご自身の心と体を大切になさってくださいね。「年末年始に英語の勉強をサボってしまった・・・!」という方も大丈夫。英語は逃げませんので、また、気持ちが上向いたら取り組めば良いのです。

今年も引き続き、様々な表現のご紹介を通じて、私自身、学び続けたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。


柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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