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ISSライブラリー ~講師が贈る今月の一冊~

2021.07.03

スキルアップ

第60回:橋本和美先生(英語通訳)

第60回:橋本和美先生(英語通訳)

先生方のおすすめする本が集まったISSライブラリー
プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、「人生のターニングポイントとなった本」「通訳者・翻訳者として必要な知識を身につけるために一度は読んでほしい本」「癒しや気分転換になる本」「通訳・翻訳・語学力強化のために役立つ参考書」等を、エピソードを交えてご紹介いただきます。
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今月は、英語通訳者養成コース講師、橋本和美先生がご紹介する『予祝のススメ 前祝いの法則』(ひすいこたろう、大嶋啓介著, フォレスト出版)です。
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まずは、著者の紹介から始めたいと思います。

「今日という日は、昨日亡くなった人が、どうしても、何としてでも迎えたかった日なんです。」

ひすいこたろうさんの言葉です。講演会で、ご本人の口からこの言葉を聞いたとき、衝撃を受けました。こんな風に今日という日を捉えたことがなかったため、切り口が新鮮だったということもありますが、それよりも何よりも強く思ったのは、言葉は圧倒的な力を持つんだなということでした。ひすいさんは初めから言葉に長けていたわけではなく、実際にはその逆でした。極度の人見知りで赤面症のひすいさんは、何とか拾ってもらった会社で就いた仕事が営業職。当然、全然売れない。これではまずいと、商品紹介文を毎日書いて、Faxで客先に送る営業スタイルに切り替えたところ、客先から呼ばれるようになり、少しずつ売れるようになったそうです。そして、「書くこと」に目覚め、今や、それを生業としています。人前でなんてしゃべるのは到底無理だったのに、講演会で大勢の前で話をするようになりました。それは、ひすいさんが日本古来の願いをかなえるための引き寄せの方法、「予祝(ヨシュク)」を見つけ、実践したからなんです。予祝とは何か?何と!お花見こそが予祝だったんです。春に咲く「桜」を、秋の「稲」の実りに見立てて、お酒を飲みながら先に喜んでお祝いすることで願いを引き寄せようとしていたわけなんです。この予祝の話を聞いた、もう一人の著者の大嶋啓介さんが、経営する居酒屋の朝礼に予祝を取り入れたところ、居酒屋が大成功し、朝礼の方法が話題になりました。予祝を広める活動を開始し、感動した小学校の先生が運動会前に自分のクラスで予祝をしたら…!!ある高校の野球部が試合前に予祝したら…!!というように、実際にあった予祝のストーリーがこの本で紹介されています。それだけだと、たまたまそういう結果になっただけなんじゃないかと思ってしまうかもしれないのですが、なぜ予祝が奇跡を起こすのか?原理も説明されています。そして、予祝のやり方もたくさん紹介されています。その一つが、予祝インタビューというもので、願いが叶ったという前提で友達とインタビューし合います。インタビュアー役の人に参考になる質問例も載っています。プロ野球の試合の後、勝利投手がよくインタビューされますが、あんな感じで質問をぶつけていきます。私も友達と2年くらい前にやってみました。
この友人はセロトニン活性療法の施術者で、予祝インタビューをしたときは、開院準備をしていた頃だったかと思います。

私:「夢が実現されたということですが、成功の要因は何だったんでしょうか?」

友達:「雑誌の取材を受けまして、それがきっかけで患者さんが来てくれるようになったんです!」

この後どうなったと思いますか?1年半以上経って、予祝インタビューをしたことなんかすっかり忘れていた頃、施術院に一本の電話がかかってきました。誰もが知っている大手ファッション雑誌の不眠に悩むライターさんからでした。セロトニン療法を体験して記事にしたいと。よくある有料の広告記事かと期待しなかったそうですが、取材を受けることにしました。その記者さんのセロトニン施術体験談は無事採用され、特集記事の一つとなったのです。それを読んだ読者さんは治療の効果を実感し、今でも通ってくれているそうです。

是非皆さんも、日本古来の予祝を面白がってやってみてください。
言葉の力を知っているひすいさんが書いたこの本を読むだけでもほっこりとした気持ちになること請け合いです。

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橋本和美(はしもとかずみ)
大学では社会言語学を専攻。船会社に勤めた後、留学のため渡米。アメリカの日系自動車会社で通訳の仕事を始め、帰国後、主に、IT、自動車、医療機器分野で通訳者として稼働経験を持つ。
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