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ワンランクアップの英語表現

2012.09.03

スキルアップ

第39回 「文房具」を使った表現

第39回 「文房具」を使った表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

今月号では文房具アイテムを使った英語表現をご紹介しましょう。

1.After I made the presentation, my boss gave me a cardboard smile.(プレゼンをしたところ、上司は私に作り笑いを見せた。)


cardboardは「厚紙、段ボール」のことです。「不自然な、実質のない」という形容詞の意味もあり、a cardboard smileで「作り笑い」となります。
「作り笑い」は他にもa plastic smileがあります。この場合のplasticは「人工の、見せかけの」という意味です。cardboardにしてもplasticにしても、作り笑いをよく表していますよね。
ちなみに日本語の「段ボール」の語源はご存知ですか?「段」は、ボール紙の断面の波型が階段のように見えることに由来しています。

2.Shall we compare notes so that we can come up with a better plan?(より良い計画を出すために、情報交換しませんか?)

compare notesは「情報交換をする、意見を述べ合う」という意味です。notesは「メモ」のことで、take notes(メモを取る)、leave a note(メモを残す)といった使い方があります。
今回の例文は、「メモをお互いにとっているから、それを突き合わせたうえで意見交換をしましょう」というニュアンスを含みます。実際にメモを取っていなくても、compare notesだけで「意見を出し合う」という意味になります。この表現はどちらかというと略式ですので、フォーマルに言うのであれば、Shall we exchange ideas…?とした方が無難でしょう。

3.Could you pencil in a meeting for Thursday?(木曜日に会議をとりあえず予定してもらえますか?)

私がかつてイギリス人上司に仕えていた頃よく耳にしたのがpencil inという表現です。「とりあえず予定を書き込む」という意味です。鉛筆は消しゴムで消すことができますので、あとで日程が変わっても書き直しができますよね。もっとも最近は「消せるボールペン」なる商品も出てきましたので、消すことができる筆記具は鉛筆だけに限らなくなりました。
 ちなみに鉛筆の濃さを表すHやBは、Hard(硬い)、Black(黒)の頭文字です。HBとHの間にはF(Firmしっかりした)という濃さもあります。

4.I’m afraid your plan looks like scissors-and-paste compilation.(残念ながらあなたの計画は独創性がない編集物に見えるよ。)

scissors-and-pasteは「独創性がない」という意味です。文字通り、ハサミとノリで切り貼りしたような感じを表しています。形容詞として使われます。scissorsは名詞で「ハサミ」ですが、終わりのsを取ってscissorとすると「ハサミで切る」という動詞になります。なお、ハサミの数え方はa pair of scissorsです。エアロビクスで前後で足を動かす動きを「シザーズ」と呼びますが、ハサミの動きから来ています。


柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

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