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ワンランクアップの英語表現

2017.01.01

スキルアップ

第91回 「髪」関連用語を使った英語表現

第91回 「髪」関連用語を使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 

バラエティ番組などで芸能界の方々の過去が映像で流れることがあります。バブルの頃の写真や動画を見てみると、今と髪型が大幅に異なることがわかりますよね。当時私自身もそうしたヘアスタイルにあこがれを抱いていたのですが、今の時代に見てみるとやはり「年代物」のように映ってしまいます。ということは、今大いにはやっている髪型など、30年後に見てみると同様に感じられるのでしょうね。むしろその頃には80年代ルックスがリバイバルとなっているかもしれません。

今月は「髪」関連用語を用いたフレーズを見ていきましょう。


1. a bad hair day 何をやってもうまくいかない日

I’m having a bad hair day.  Maybe tomorrow might be better! (何をやってもうまくいかない日だなあ。明日はもしかしたら良くなるかもね!)

a bad hair dayは「起床時の寝癖によりヘアスタイルがうまくいかない日」という意味です。これが転じて口語表現では比ゆ的に用いられ、「何をやってもうまくいかない日」という状況を表します。誰にとっても寝癖というのは始末に困りますよね。

さて、hairの付く単語で思いつくのが「白髪」。これは英語ではwhiteではなくgreyを用いてgrey hairと言います。ちなみにイギリス英語でKeep your hair on.と言うと「カッカするな」という意味になります。怒りモードになるとマンガでは髪の毛が逆立った感じで描かれますよね。「まあ、落ち着いて」というニュアンスが込められている表現です。


2. have a brush with … ~と言い合いをする

had a nasty brush with my boss today. (今日、上司と嫌な言い合いをしました。)

have a brush with … は「~と言い合いをする」という意味です。brushはヘアブラシという意味のほかに、もめる様子も表します。なお、have a brush with the lawは「法に触れる」という意味です。

ところでa toothbrush moustacheという表現をご存知ですか?「歯ブラシのひげ」とは、「(歯ブラシのように)短く堅い口ひげ」のことです。歯ブラシと一言付くだけで、その堅さがイメージできますよね。なお、ヒゲにはmoustachebeardなど色々あります。学習者向け英和辞典の画像やインターネットの画像検索などでぜひ確認してみて下さい。


3.wig out 人を逆上させる

I didn’t mean to wig him out.  I was only joking. (彼を逆上させるつもりはなかったんだ。単なる冗談だったんだよ。)

wig outは「人を逆上させる」という意味です。wigはカツラのことですが、wig自体、17世紀から18世紀に見られたperiwig(男性用の白い巻き毛カツラ)から来ています。そう、バッハやモーツァルトなどの肖像画に見られる、あのカツラです。

wig outは口語表現で「酔っぱらう」という意味もあります。また、「パーティーなどで楽しいひとときを過ごす」という語義もあり、いずれもくだけた場面で使われるフレーズです。


4. comb through 徹底的に探す

She had to comb through piles of papers to find the document. (彼女はその書類を見つけるため、書類の山を徹底的に探さねばなりませんでした。)

comb throughは「徹底的に探す」という意味です。もともとcomb自体はドイツ語から来た単語です。英語はラテン語やギリシャ語、ドイツ語やフランス語などと密接に関わり合っています。研究社の「リーダーズ英和辞典」には語源も載っていますので、辞書を引くたびにことばの源をたどるのも楽しい作業です。

ちなみにイギリスにはcombeの付く地名が少なくありません。こちらは「険しく深い谷」という意味で、発音はcomb同様「クーム」と言います。なお、「地下墓地」は英語でcatacombです。そういえばイギリスの教会には地下室(crypt)があり、そこがカフェやレストランになっています。ロンドンに住んでいたころ、そうしたカフェで私が気に入っていたのが、トラファルガー広場にあるSt Martin-in-the-FieldsCafé in the Cryptでした。留学時代、勉強に疲れると息抜きと称して(?)このカフェまで歩き、ラテとスコーンを味わうのが私にとっての楽しみでした。


以上、今月のキーワードは「髪」でした。ちなみに京都には頭と髪の「御髪(みかみ)神社」があるそうです。


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

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