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ワンランクアップの英語表現

2020.05.07

スキルアップ

第131回 「ゴールド」にちなんだ英語表現

第131回 「ゴールド」にちなんだ英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 

日本は世界の中でも有数の「祝日大国」です。2020年の日本の祝日数は18日なのに対し、イギリスやアメリカなどはいずれも10日弱といったところ。これだけお休みの多い日本ですが、まだまだ労働時間は長く、有休取得率も少ないと言われています。働き方改革は今後も続きそうです。


そのような中、日本でもゴールデン・ウィークを迎えつつあります。そこで今回は「ゴールド」にまつわる英語表現を見てみましょう。


have a heart of gold 思いやりがある、優しい心を有する

She has a heart of gold.  She gave a lot of donation to her college.  (彼女は心優しい人ですよ。自分の大学に多額の寄付をしたのですから。)

「優しい心を有している」を英語でhave a heart of goldと言います。「金の心」が「優しい」という意味になっているのですね。一方、「勇猛な心の人」は英語でa heart of oakです。「冷酷な心の人」はa heart of stoneと言います。

ちなみに1979年にイギリスのヒットチャートで第1位を記録したのが、Blondieの”Heart of Glass”という曲でした。邦題もそのまま「ハート・オブ・グラス」です。heart of glass自体は「ガラスのハート」、つまり、傷つきやすい心を指します。日本でも某自動車のCMで使われた一曲です。興味のある方はこちらをどうぞ:

https://www.youtube.com/watch?client=mv-google&gl=JP&hl=ja&v=WGU_4-5RaxU&fulldescription=1&app=desktop


2  the golden rule 黄金律

The golden rule in improving your English is to practise every day. (英語上達の黄金律は、毎日練習することです。)

the golden ruleは日本語でもそのまま直訳通り「黄金律」と言います。元は聖書からの文章です。イエス・キリストの山上の説教の中の一節で、マタイによる福音書7章12節から来ています。英語を学ぶ上でぜひとも触れておきたいのが、「聖書」「ギリシャ神話」と「シェイクスピア」です。絵本でもダイジェスト版でも構いませんので、ぜひ一度ざっくりとでも良いので触れておくことをお勧めします。


be sitting on a goldmine (それとは気づかずに)貴重な物を所有する

He didn’t realize that he was sitting on a goldmine.  (彼は自分が貴重な物を所有していたことに気づきませんでした。)

goldmineは「金鉱、金山」のことですが、転じて「儲かる仕事、金づる」「宝の山、知識などの宝庫」といった意味があります。be sitting on a goldmineは「自分では気づかないものの、実はとても貴重な物を持っている」という状況を表す表現です。なお、スペルはgold mineおよびgoldmineどちらも有りです。

ところで「鉱山」自体は英語でmineと言いますが、これは古フランス語のmine(鉱山)からそのまま入ってきています。a mine of … は「~の宝庫」という意味です。一方、mineには「機雷、地雷」という意味もあります。イギリスのダイアナ妃は生前の1997年にアフリカ・アンゴラの地雷地帯を訪れました。その中を歩く写真が世界のマスコミに取り上げられ、地雷除去への関心が一気に高まったことを覚えておられる方もいらっしゃることでしょう。


as good as gold 子どもが行儀よくおりこうさんにしている

Our children were as good as gold.  We were so impressed! (うちの子どもたちは実によくおりこうさんにしていました。とても感心しましたね!)

子どもが行儀良くしていることを英語でas good as goldと言います。他にも「とても良い」「金と同じぐらい価値がある」という語義もあります。「行儀が良い」という意味が使われるようになったのは、17世紀ごろだそうです。

as good as … というフレーズがあるならば、as bad as …はどうでしょうか?気になったので調べたところ、Three moves are as bad as fireという文章が辞書にありました。これは「引っ越しを三度もすれば、火事に遭ったようなもの」という意味です。要は何度も引っ越しをしていると貧乏になってしまうということなのですね。日本語でも「引っ越し貧乏」という言葉があるので、想像はつきます。

今回は「ゴールド」をキーワードに4つの例文を見てみました。皆様にとりまして有意義なゴールデン・ウィークとなりますように!


柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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