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ワンランクアップの英語表現

2024.09.03

スキルアップ

183回「水を使った英語フレーズ」

183回「水を使った英語フレーズ」

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗


最近私は自宅で動画サイトを観ながらトレーニングをしています。筋トレや有酸素など、動画サイトには実に沢山アップされているのですね。家であればすぐに取り組めますし、人目も気にせずに済みます。時短にもつながるので大いに気に入っているところです。なお、エクササイズをする上で大切なのが水分補給。今年の夏はとりわけ暑いので、運動時以外でも私は一日2リットルの水を飲むようにしています。猛暑の最中の水は実に美味です。


今月は「水=water」を用いた英語フレーズを見ていきましょう。


pour cold water on … ~に水をさす

I don’t want to pour cold water on your idea, but maybe we should come up with another strategy. (あなたの考えに水をさすことはしたくないけれど、別の戦略を考えた方が良いのではと思います。)

「~に水をさす」を英語でpour cold water on ・・・と言います。文字通り訳せば「~に冷水を注ぐ」となり、日本語でも「冷水を浴びせる」という慣用句がありますよね。

ところでこの英語表現から思い出したのが、10年前に話題となったice bucket challengeです。これはALS(筋萎縮性側索硬化症)の研究支援のためにおこなわれました。氷水が入ったバケツを頭からかぶるというものです。動画サイトでもたくさんアップされており、ビル・ゲイツ氏や著名人が挑んでいます。ちなみに私は温水プールの水も冷たいと思うほどなので、絶対にこれは無理です・・・。



go through fire and water なんだってやる、あらゆる危険を冒す

In order to protect my kids, I would go through fire and water. (子どもたちを守るためなら、なんだってやります。)

日本語でも「たとえ火の中、水の中」という表現がありますよね。英語ではgo through fire and water といいます。go through自体は「通過する」という意味ですが、他にも様々な語義があり、「辛いことを経験する」「細かく調べる」などが辞書に載っています。こうした句動詞は多様な意味があるので、その都度調べることが肝心です。

なお、「火水(かすい)」と聞くと曜日を連想しますが、「火水をもいとわない」は「水や火の中に入るような苦労も嫌がらない」という意味になります。日本語のこうした表現も興味深いですよね。



muddy the waters 混乱させる

Rather than muddying the waters, let’s come up with a constructive plan. (話を混乱させるよりも、建設的な計画を考えてみよう。)

muddy the waters は「(状況などを)混乱させる」という意味です。ここで出てくるmuddyは動詞で、「濁らせる」ということ。形容詞の場合は「泥だらけの」「泥水の」などの語義を有します。今回ご紹介するmuddy the watersを直訳すれば「水を濁らせる」となり、「状況がよくわからなくなる」という感じが伝わってきますよね。

なお、waterは複数形になると「特定の国の近くにある海域」という意味になります。また、辞書を引くとthe watersで「鉱泉」とも出ています。



water under the bridge 過ぎてしまったこと

She regarded her past experience as water under the bridge(彼女は過去の経験について、過ぎてしまったことととらえました。)

「過ぎてしまったこと」を英語でwater under the bridgeと言います。確かに橋の下を流れる水というのはあっという間に流れ去っていきます。状況をよく表しているフレーズです。

この表現を曲のタイトルにしたのがイギリスの歌手Adeleです。邦題はそのまま「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」とカタカナ表記になっています。2015年にリリースされ、ヒットチャートの上位にランクインしたこの曲、実に聞きごたえがあります。

https://youtu.be/5aTttdUDmvI?si=Uc3oXcyWyiLWHoE2



いかがでしたか?今月は「水」をテーマにしたフレーズをご紹介しました。ところで冒頭でご紹介した私の水分補給ですが、ネットショップでウォーターボトルを購入しました。時間のメモリが書かれているので、何時の時点にどれぐらい飲んでおくべきかが一目瞭然。これでますますエクササイズと水分補給のモチベーションが高まっています。



柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言、大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトで日本語訳・解説を担当。大学や企業での学習アドバイス経験多数。各種サイトでコラムも執筆中。

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