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ワンランクアップの英語表現

2026.01.06

スキルアップ

第199回「horseを用いた英語表現」

第199回「horseを用いた英語表現」

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

新しい年が明けました。今年の干支は「丙午(ひのえうま)」。英語ではthe year of the Fiery Horseです。「新和英大辞典」を紐解くと補足説明で”during which the birth of baby girls is deprecated because they will bring destruction on their husbands”と書かれています。前回の丙午・1966年に日本の出生率は大幅減となりましたが、上記のような説明はもはや科学的根拠ナシと最近は言われていますよね。

ということで今年の干支にちなみ、今月はhorseを用いたフレーズを4つご紹介いたします。

1 Closing the stable door after the horse has fled 後の祭り

Be careful with the company data breach. Once they are gone, it’s like closing the stable door after the horse has fled. (会社のデータ漏洩には注意しなければ。一旦なくなってしまえば、後の祭りだからね。)

「後の祭り」を英語の慣用句でClosing the stable door after the horse has fledと言います。文字通り訳すと「馬が逃げた後、厩舎の扉を閉める」という意味。確かに脱走した後に閉めたところで、時すでに遅しです。ちなみにstableは「厩舎」のことですが、形容詞の「ぐらつかない、安定した」という意味もあります。辞書によってどちらの意味が先かを読み比べてみるのも興味深いところです。

ところで日本語の「後の祭り」の語源を調べたところ、京都の祇園祭から来ているそうです。祇園祭は前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)があり、山車が出るのが前祭。つまり、地味な後の祭りに出かけてもにぎやかさが無いというわけです。

2 A dark horse ダークホース、予想外の勝者

Contrary to the predictions, he was a dark horse in the race and he won the election.(予想とは異なり、彼は選挙戦のダークホースで、選挙に勝ちました。)

日本語でも「ダークホース」ということばは普及しています。これは競馬用語で、「番狂わせをするかもしれない穴馬」という意味。よって上記の文章でも「予想外の勝者」という意味になります。

さて、こうしてdarkが出てくると、「ではlight horseは?」と気になるのはいつもの私の習性。調べてみたところ、「軽騎兵」という意味がありました!

3 Get off your high horse もっと謙虚になりなさい

The mother told her son “Get off your high horse and admit that what you did was wrong.” (母親は息子にこう言いました:「もっと謙虚になって、自分がしたことは間違っていたと認めなさい。」)

Get off your high horseは「もっと謙虚になりなさい」「偉そうにしてはいけません」という意味。文字通り訳せば「高い馬から降りなさい」となり、これは「位の高い人が自分を大きく見せるために背の高い馬に乗っていた」という昔の様子から来ています。馬に乗ったままでは見おろすことになるからです。

ところでget offget along withなどのような表現を句動詞と言います。通訳者にとって句動詞は実は厄介モノ。何しろ意味をわかっていないと通訳できないからです。使われているのは基礎単語でも、前置詞と組み合わさると違う意味になるのですよね。

4 straight from the horse’s mouth 確かな情報源

The journalist broke the news based on the information straight from the horse’s mouth. (ジャーナリストは確かな情報源から得た情報に基づき、ニュースを報じました。)

「確かな情報源」を英語でstraight from the horse’s mouthと言います。文字通り訳せば「馬の口の中から直接」です。馬の健康状態を調べるには、馬の口を開けて歯を直に見ることがかつては一番正確だった、という考えから来たものです。なかなか興味深いフレーズですよね。

なお、informationは数えられない名詞です。よって、a piece of informationやsome informationとなり、informationsと複数形にはなりません。語源はラテン語でinformare(教え込む)から来ています。一方、日本語の「情報」は明治時代にできた語だそうです。

いかがでしたか?今月はhorseを用いた英語表現を取り上げてみました。馬は英語のフレーズも多いですが、日本語にも「馬の耳に念仏」「馬が合う」「尻馬に乗る」などありますよね。気が早いですが来年は「ひつじ年」。さて、ヒツジのフレーズはどうなのでしょう?気になるところです。


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2024年米大統領選では大統領討論会、トランプ氏勝利宣言、ハリス氏敗北宣言、トランプ大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラム執筆にも従事。

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