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ワンランクアップの英語表現

2026.08.03

スキルアップ

第206回「doubleを用いた英語表現」

「doubleを用いた英語表現」柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

先日の外出先でのこと。あまりの暑さにアイスクリームが食べたくなりました。お店に入ってみるとバラエティ豊かなラインアップ。どれもおいしそうです。ただ、時計を見るとすでに夕方。ここで沢山食べてしまうと夕食に差し障りそう。「ホントはダブルが食べたいけど、今回はシングルにしよう」と決めました。ちなみにこれを書いている7月半ばのロンドンはテニス全英選手権の真っ最中。シングルス(singles)もダブルス(doubles)も試合展開が気になります。

ということで今月はdoubleを使った英語フレーズのご紹介です。

double down (推し進める)

I know this project can be risky, but I want to double down and push ahead with it. (このプロジェクトにリスクがつきものなのはわかっていますが、さらに注力して力強く推し進めていきたいです。)

double downは「推し進める」という意味です。ここではpush ahead with it(力強く進める)というフレーズと合わせて使われています。もともとdouble downの由来はカジノのカードゲーム。ブラックジャックのルールから来ています。「賭け金を2倍(ダブル)にして、次の1枚で勝負する」という状況です。

ところでブラックジャックと言えば、手塚治虫の名作漫画の主人公の名前でもあります。これはトランプとは関係ないのですが、調べたところ、「無免許で治療する医師=現代の海賊=海賊旗はブラックジャック」ということから手塚治虫が命名したそうです。

double back (引き返す)

I think we took the wrong route.  Let’s double back and check the map. (道を間違えたみたい。引き返して地図を確認しよう。)

double backは「来た道をそのまま引き返す」という意味。元通り戻るので移動距離が2倍(double)になるわけですよね。わかりやすい表現です。

ところでdoubleはラテン語のduplusから来ており、dou(2)とble(重ねる)が原義です。「疑う」のdoubtも同じ語源で、こちらは「2つのうちから1つを選ばねばならない→迷う→疑う」という意味になりました。なお、倍数表現は、single/double/triple/quadruple/quintuple/sextuple/septuple/octuple/nonuple/decupleと10倍まであります。

double-cross (裏切る、だます)

Even if they double-cross you, keep your head high.  You have enough friends around you! (たとえ彼らに裏切られたとしても、正々堂々としていよう。あなたの周りにはたくさんの味方がいるのだから!)

double-crossは「だます、裏切る」という意味です。語源は19世紀初頭の犯罪集団の隠語から来ています。crossは「不正な取引」のことで、窃盗犯がさらに仲間を裏切って自分だけ利益を得る、つまり、二重の不正を表していました。

ところで「十字架」もcrossと言いますが、カトリック教会の高位聖職者が用いる「総主教十字」という十字架があります。これは通常の十字架の横棒の上にもう一本短い棒が添えられています。Patriarchal crossと言います。

double whammy (泣きっ面に蜂)

It started to rain but I didn’t have my umbrella.  I left my wallet at home, so it was a double whammy. (雨が降り始めたのに傘が無い。しかも家に財布を忘れてきた。もう泣きっ面に蜂だったよ。)

double whammyは「泣きっ面に蜂、ダブルパンチ」という意味です。元は1950年代のアメリカのマンガからです。この作品の中で、悪役が目から超能力を出して人を呪っていました。whamは「呪い」という口語表現で、両目から呪いが出てきたことからこのフレーズが誕生しています。

ところでイギリスの80年代を代表するポップ・デュオ「Wham!(ワム!)」は、ジョージ・マイケルの歌唱力が素晴らしかったですよね。今の季節なら名曲”Club Tropicana“がオススメです!

いかがでしたか?今月はdoubleを使ったフレーズを見てみました。やはり暑い季節、アイスクリームはダブルが良いなあと思い始めています。みなさまもお体大切にお過ごしください。

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柴原 早苗
会議通訳者・放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。学生時代から通訳技法を学ぶ。ロンドン大学LSEにて社会行政学修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。報道現場では米大統領選挙、スポーツ、ビジネス、医学、芸能など幅広いニュースの同時通訳を担当。映画「謝罪の王様」(2013年/脚本・宮藤官九郎/主演・阿部サダヲ/監督・水田伸生)に放送通訳者役として出演。

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